親が施設に入った後の実家はどうする?空き家管理・生前売却・家族信託の完全ガイド

親が施設に入ると、実家は急に空き家に近い状態になります。親が元気なうちに確認できることを先に聞いておくと、将来の片付けや売却が進めやすくなります。

日本の実家の和室と整理用の段ボール

親が高齢者施設に入居すると、実家は突然「人がいない家」になります。本人はまだ生きているため遺品整理ではない、しかし誰も住んでいないので空き家管理の問題が出てくる——この「親が亡くなった後」とも「親が住んでいる」とも違う独特の段階に、多くの家族が戸惑います。この記事では、施設入居後の実家を放置するリスク、本人の意思確認の進め方、認知症発症前にできる家族信託・任意後見、生前売却の判断基準まで、親が元気なうちにできる「予防的な実家じまい」を実務目線で整理します。

この記事の要点(先に結論)

「親が施設」は実家じまいの独特な段階

実家じまいの記事の多くは「親が亡くなった後」を前提にしていますが、現代の家族の現実では、親が施設に入ってから亡くなるまでに数年〜十年以上の時間が経過するケースが珍しくありません。この期間の実家の扱いには、亡くなった後とは違う複雑さがあります。

「亡くなった後」との違い

「住んでいる」との違い

この段階特有のジレンマ

「亡くなった後」なら相続として処分できる。「住んでいる」なら本人が管理できる。しかし「施設入居中」は本人の意思を尊重しながら、家族が代わりに管理するという独特の立ち位置になります。判断を先送りすると、認知症の進行で本人の意思が確認できなくなり、選択肢が狭まります。「親が元気なうち」が判断のしやすい貴重な時期です。

放置すると起こる5つの問題

親の施設入居が決まったとき、「とりあえずそのままにしておく」を選ぶ家族は多くいます。しかし、その「とりあえず」が3年・5年と続くと、次のような問題が現実化します。

① 建物の急速な劣化

無人の家はカビ・雨漏り・シロアリ・配管腐食が一気に進みます。とくに水回りは、定期的に水を流さないと配管内のトラップが乾燥し、悪臭や下水管からのガス逆流が起きます。半年放置で異臭、1年で目に見えるカビ、3年で建物価値の大幅下落、というのが業界のおおよその目安です。

② 近隣トラブル

庭木が隣家に越境、雑草の繁茂、害虫の発生、不法投棄、不審者の侵入——空き家由来の近隣トラブルは多岐にわたります。近隣からの苦情が自治体に入ると、空家対策特別措置法に基づく調査の対象になることもあります。

③ 「管理不全空家」「特定空家」のリスク

2023年12月13日施行の改正空家対策特別措置法により、「管理不全空家」という分類が新設されました。屋根・外壁の破損、雑草、ごみ放置などで「特定空家になるおそれ」があると判断され、勧告を受けると、住宅用地特例(土地の固定資産税最大1/6軽減)が解除され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。

④ 郵便物・督促状の滞留

誰も郵便受けを見ないため、固定資産税通知、銀行からの郵便、契約更新の連絡などが滞留します。督促状を放置して延滞金が膨らむ、契約が自動解約されるなどの実害が発生します。本人が施設で混乱すると、状況把握がさらに難しくなります。

⑤ 本人の意思能力低下による選択肢の縮小

これが最も静かに進行する、しかし最大のリスクです。認知症の進行などで本人の意思能力が低下すると、本人名義の不動産は本人の判断で売却できなくなります。家族が代わりに動くには、家庭裁判所での成年後見制度の手続きが必要となり、月額報酬や手続き上の制約が発生します。

これら5つは、いずれも「気付いたときには手遅れ」になりやすい問題です。施設入居が決まった時点で、放置ではなく『計画的な保留』に切り替えるのが正解です。

本人が元気なうちに聞く7項目

親の意思を尊重した実家じまいで最も重要なのが、本人が元気なうちに希望を聞き取って書面に残すことです。亡くなった後では本人の意思は確認できません。施設入居の前後の、まだ判断能力が保たれている時期が貴重なタイミングです。

聞いておくべき7項目

  1. 家を将来どうしたいか:残してほしい/売ってよい/賃貸に出してよい/解体してよい
  2. 残したい物・親族に渡したい物:具体的な品物と、譲りたい人
  3. 金融機関と口座の所在:銀行名、支店、口座番号、印鑑の保管場所
  4. 保険の加入状況:生命保険、医療保険、火災保険、地震保険
  5. 不動産関係の書類:登記済証(権利証)、固定資産税通知、過去のリフォーム履歴
  6. 借金・連帯保証の有無:住宅ローン、消費者金融、保証人
  7. 葬儀・お墓・菩提寺の希望:葬儀社、墓所、菩提寺

聞き取りの進め方

いきなり全部聞こうとすると本人が拒否反応を示します。「自分の老後の準備として教えてほしい」という温度感で、複数回に分けて聞き取るのが定石です。市販のエンディングノートを活用すると、本人が自分のペースで書いてくれることもあります。

書面で残すと家族の負担が大きく減る

口頭の確認だけでは、後で兄弟間で「親はこう言っていた」「いや、別のことを言っていた」という解釈の違いでトラブルになります。エンディングノート、メモ、ボイスレコーダーでの録音(本人の同意があれば)など、後で確認できる形で残すのが鉄則です。

「聞きにくい話題」もある

お金の話、家を手放す話、葬儀の話などは、子どもからは切り出しにくい話題です。テレビ番組や知人の話題をきっかけにする、専門家(司法書士・税理士)同席の場を作るなどの工夫で、自然に話に入れます。

5つの選択肢を比較する

親が施設に入った後の実家には、5つの選択肢があります。本人の意思、家族の状況、経済合理性のバランスで判断します。

選択肢向いているケース主なコスト本人の同意
① 管理して残す本人が戻る可能性あり年20〜50万円不要(従来の状態維持)
② 賃貸に出す立地良、リフォーム可能初期リフォーム数百万円必須(本人名義のため)
③ 生前売却本人意思あり、施設費用充当仲介手数料・税必須
④ 家族信託で備える認知症リスクに備えたい初期30〜100万円必須(本人が委託者)
⑤ 施設入居前に売却本人が在宅前に決断仲介手数料・税必須

判断のヒント

「ハイブリッド」もありえる

選択肢は単独ではなく、組み合わせも可能です。たとえば「家族信託で備えながら、当面は管理サービスで維持」「現状は管理して残し、3年後に再判断」など、期限付きで柔軟に対応できます。

空き家管理サービスの活用

「当面は実家を残す」を選んだ場合、最も現実的な解決策が空き家管理サービスの利用です。

空き家管理サービスの内容

月1〜2回、専門業者または親族・知人が訪問し、次のような作業を行います。

費用の目安

業者に依頼する場合、月5,000〜1万円が一般的な相場です。年間6万〜12万円。遠方の家族が月1回新幹線で通う交通費(年間20〜30万円)と比べれば大幅に安い計算になります。

サービス提供者の選択肢

選び方のポイント

  1. 作業内容と頻度が明確
  2. 写真・報告書が標準化されている
  3. 緊急時の対応体制(雨漏り、不審者侵入など)
  4. 解約条件が柔軟
  5. 追加料金の範囲が明示されている

認知症発症前の備え(家族信託・任意後見)

これは、親が施設に入った後の実家じまいで最も重要なのに最も知られていない論点です。認知症が進んで本人に意思能力がなくなると、本人名義の不動産は本人の判断で売れなくなります。家族が代わりに動くには複雑な手続きと制約が伴います。

認知症発症後の3つの選択肢

認知症などで意思能力を失った場合、選択肢は以下の3つです。

制度発動時期誰が管理するか費用不動産売却の自由度
家族信託契約時から家族(受託者)初期30〜100万円高い(契約内容で柔軟設計)
任意後見判断能力低下後事前に決めた人監督人報酬月2〜3万円中(裁判所監督下)
法定後見判断能力低下後裁判所が選任後見人報酬月2〜6万円低(本人の生活維持目的のみ)

家族信託(民事信託)とは

本人(委託者)が信頼できる家族(受託者)に財産管理を任せる契約です。本人が元気なうちに契約を結び、契約発効と同時に管理が始まります。裁判所の関与がなく、契約内容で柔軟に設計できるため、不動産の売却・賃貸・運用が自由に行えます。認知症が進行しても契約内容に基づき家族が継続管理できる点が最大のメリット。

任意後見契約とは

本人が元気なうちに、将来判断能力が低下した場合の後見人を指定しておく契約です。本人の意思能力が低下した後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで効力が発生します。「身上監護(医療・介護の手続き)」も含めた包括サポートが可能で、家族信託では対応できない医療同意などをカバーできます。

法定後見(認知症発症後の最終手段)

本人がすでに判断能力を失っている場合、家族が家庭裁判所に申立てを行い、裁判所が後見人を選任します。後見人は本人の生活維持が目的で、不動産の売却は『本人の利益のため』にのみ許可されます。施設費用の捻出や、子どもが住む予定の家を維持するなど、家族の都合での売却は認められないことがあります。

家族信託と任意後見の併用が理想

家族信託は財産管理に特化、任意後見は身上監護も含む——この2つを併用することで、認知症リスクに対する備えがほぼ完璧になります。とくに親が施設入居中で実家を将来どうするか不透明な場合、家族信託で実家の柔軟な処分権を確保しつつ、任意後見で医療・介護の意思決定もカバーするのが最強の組み合わせです。

家族信託・任意後見は司法書士の無料相談から始めるのが安全

家族信託は「契約書の設計」が最重要で、これが甘いと意図したとおりの管理ができません。任意後見も契約書の作成を伴います。多くの司法書士事務所が初回無料相談を提供しており、自分のケースに最適な制度設計を見立ててもらえます。本人の判断能力があるうちが、これらの契約を結べる唯一のタイミングです。後回しは禁物です。【A8|司法書士相続相談センター】無料相談を申し込む

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生前売却のメリットと税制

本人が元気なうちに実家を売却する「生前売却」は、相続後の売却にはないメリットがあります。

生前売却の5つのメリット

  1. 本人の意思を反映できる:売却の判断、価格、買主への希望を本人が決められる
  2. 相続のもめ事を予防:現金化しておけば相続時に分けやすい
  3. マイホーム特例(3,000万円控除):本人がまだ居住用財産として申告できる場合、マイホームの譲渡所得3,000万円特別控除が使える可能性
  4. 施設費用に充当:売却代金で長期の施設費用を賄える
  5. 認知症発症リスクの回避:意思能力が確かなうちに処分しておけば、後の手続き負担が大幅に軽減

マイホーム特例(居住用財産の3,000万円特別控除)

本人が居住していた家屋を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(租税特別措置法第35条)。住まなくなってから3年経過する日の属する年の12月31日までの売却が要件です。施設に入って3年を経過すると、居住用財産としての特例が使えなくなる可能性があるため、生前売却を選ぶならタイミングが重要です。

3,000万円控除の比較

どちらの控除を使うか、または使えるかは個別判断になります。税理士・不動産会社に相談したうえで決めるのが安全です。

生前売却の進め方

  1. 本人の意思確認(書面で残す)
  2. 家族会議で方針共有
  3. 不動産査定(複数社、仲介・買取両方)
  4. 税理士に税負担を試算依頼
  5. 売却ルート決定(仲介/買取/解体)
  6. 必要な範囲で片付け
  7. 売買契約・引き渡し
  8. 本人名義の口座に売却代金

生前売却の判断は、まず査定で相場を知るところから

本人がまだ判断できるうちに、実家の市場価値を把握しておくのは家族全員の安心につながります。仲介・買取の両方を一括査定で比較すれば、家計への影響をシミュレーションする材料が揃います。査定は無料で、依頼の有無は比較してから決められます。【A8|不動産売却一括査定】無料査定で相場確認

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施設費用と実家維持費の両立

親の施設入居で家計に重くのしかかるのが、施設費用と実家の維持費を同時に払う負担です。

施設費用の目安(月額)

施設種別月額費用入居一時金
特別養護老人ホーム(特養)10〜15万円なし
介護老人保健施設(老健)10〜15万円なし
サービス付き高齢者向け住宅15〜25万円0〜数十万円
介護付き有料老人ホーム20〜35万円0〜数千万円
住宅型有料老人ホーム15〜25万円0〜数百万円

※2026年時点の業界一般的な目安。地域・サービスで大きく変動。

実家の維持費(年額)

固定資産税・火災保険・修繕・庭木・空き家管理サービスなどで、年間20〜50万円が一般的な相場です(月換算で1.5〜4万円)。

合算負担の現実

仮に施設費用月20万円、実家維持費月3万円とすると、月23万円・年276万円が出ていきます。これを年金だけで賄うのは多くの家庭で困難で、本人の貯蓄を取り崩すか、家族が負担するかという選択になります。長期化すれば、本人の財産も底をつきます。

家計を楽にする3つの方法

  1. 生前売却:売却代金で施設費用を5〜10年分まかなう
  2. 賃貸に出す:家賃収入で維持費を相殺(リフォーム費の回収を考慮)
  3. 解体して土地のみ管理:火災保険不要、修繕不要(ただし固定資産税は上がる)

本人の意思との両立

「家族の家計が楽になるから売る」という発想は、本人にとっては自分の家を取り上げられる気持ちにつながります。本人の意思と家計の現実を、家族会議で正直に話し合うのが大切です。「売却代金は本人の生活と医療のために使う」「将来戻ってきたいなら別の住居を準備する」といった対案を含めて議論すると、本人も納得しやすくなります。

片付け・生前整理は本人の同意が大切

親が施設に入った後、子ども側の都合だけで実家の片付けを進めると、家族関係に深いひびが入ることがあります。

本人の気持ちを否定しない

本人にとって実家は「いつか戻る場所」「自分の人生の証」です。たとえ戻る可能性が低くても、「もう戻らないよね」と決めつけるのは本人の尊厳を否定することになります。「戻りたくなったときのために、必要な物は残しておくよ」という姿勢が穏やかなコミュニケーションを生みます。

本人の希望を聞きながら段階的に進める

いきなり全部処分するのではなく、次の段階で進めます。

  1. 第1段階(初期):明らかなゴミ(食品、消耗品、汚れた寝具)の処分、ライフラインの整備
  2. 第2段階(中期):本人と相談しながら、不要な家具・家電の整理
  3. 第3段階(本人の同意あれば):思い出の品の選別、写真の整理
  4. 第4段階(売却・施設長期入居決定後):本格的な家財整理、業者依頼

本人を実家に連れて行く

体調が許せば、本人を実家に連れて行って一緒に整理するのが理想です。「これは要る」「これは要らない」を本人が決められる時間は、後の家族の心理的負担を大きく減らします。本人と一緒に最後の整理ができることは、家族にとっても貴重な時間になります。

仏壇・写真・神棚は急がない

仏壇、神棚、家族写真、本人の趣味の品など、感情的価値の高いものは慎重に扱います。本人がまだ生きている段階で勝手に処分すると、家族の中で取り返しのつかない感情のしこりが残ることがあります。本人の希望、または「亡くなった後の相続のとき」まで保留するのも穏やかな選択です。

本格的な遺品整理・空き家整理の見積もりは早めに

本人が施設入居中の段階でも、将来の片付けに向けて見積もりを取っておくと、いざ動くときの判断が早くなります。複数社の相見積もりは無料、相談だけでも対応してくれる業者が多くあります。【A8|遺品整理110番】無料一括見積もりで概算把握

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兄弟間で揉めないための家族会議

親が施設に入った後の実家じまいでは、兄弟間で意見が割れることがよくあります。「亡くなった後」の場合と違い、本人がまだ生きていることで、感情がより複雑になります。

揉めるパターン

家族会議の4原則

  1. 本人を中心にする:可能な限り本人を会議に参加させる、または本人の意思を確認する
  2. 「期限」を切る:いつまでに何を決めるかを共有
  3. 主担当者を決める:連絡窓口、業者対応を集約
  4. お金の話を最初に:施設費用・実家維持費・生前売却代金の使途を書面化

本人を中心にする工夫

本人がしっかり話せるうちは、家族会議に本人を参加させるのが最善です。Zoomで施設から参加する、本人を連れ出して家族で集まるなど、工夫します。本人が直接意思を表明することで、後の「親はこう言っていた」「いや違う」という解釈の違いが大幅に減ります。

本人の意思能力が低下している場合

すでに判断能力が低下している場合、本人の過去の発言・エンディングノート・元気な頃の家族会議の記録などをもとに、家族で「本人ならこう判断したであろう」という推定を行います。意見が割れた場合は、家族信託契約や任意後見契約があればそれに従うのが原則。なければ、家族の合議で進めることになります。

第三者を入れる選択肢

家族間で感情の対立が深い場合、司法書士・弁護士・税理士の同席を入れると議論が冷静になります。「数字と制度の話」に視線を移すことで、感情の応酬から実務の議論へと転換できます。 家庭裁判所での調停も最終手段としてあり得ます。

施設入居前後のタイムライン

施設入居の前後で、何をどの順序で進めるかの典型的なタイムラインを示します。

施設検討・入居前(数か月)

入居直後(1か月以内)

入居後3〜6か月

入居後1〜3年

本人逝去後

よくある質問(FAQ)

Q1. 親が施設に入ったら、すぐに実家を売るべきですか?

急ぐ必要はありません。本人の容体、入居の長期化見込み、家族の合意、本人の意思を確認してから判断すべきです。ただし、認知症発症リスクが高い、施設費用負担が重い、マイホーム特例の3年期限を活用したいといった事情がある場合は、入居後早めの判断が有利になることもあります。

Q2. 親に「家を売っていい?」と聞きにくいです。

いきなり売却の話をするのではなく、まず「家を将来どうしたいか」を聞くところから始めます。エンディングノートや知人の話題をきっかけにする、司法書士・税理士同席の場を作るなどの工夫で自然に話に入れます。本人の判断能力が確かなうちにこそ大切な対話です。

Q3. 親がすでに認知症で意思確認ができません。実家は売れますか?

本人に意思能力がない状態では、本人名義の不動産を本人の判断で売却することはできません。家庭裁判所に成年後見の申立てを行い、選任された後見人が裁判所の許可を得て売却する、という手続きになります。後見人への月額報酬・処分の自由度低下といった負担があります。家族信託または任意後見契約があれば、これらの制約を回避できます。

Q4. 家族信託の費用はどれくらいかかりますか?

初期費用として、司法書士報酬30〜80万円、公正証書作成費用5〜10万円、信託登記の登録免許税(評価額×0.4%、ただし土地は0.3%・建物は0.4%)などで、合計30〜100万円程度が一般的な目安です。受託者(子)が無償で管理を引き受ける場合、ランニングコストはほぼ発生しません。長期的には法定後見(月2〜6万円)より安く済みます。

Q5. 任意後見契約と家族信託、どちらを優先すべきですか?

目的によって異なります。財産管理の柔軟性を重視するなら家族信託、医療・介護の身上監護も含むなら任意後見、両方カバーしたいなら併用が最強です。司法書士の無料相談で、自分の家族のケースに最適な組み合わせを見立ててもらうのが安全です。

Q6. 親が施設に入った実家でも、火災保険は必要ですか?

必要です。むしろ無人の家のほうが火災・水漏れの発見が遅れるため、保険の重要性は高くなります。ただし、一般的な住宅用火災保険は「常時使用される住宅」が前提のため、空き家になると一般物件扱いとなり保険料が上がる、または保険会社によっては引き受け不可になることがあります。施設入居が決まったら、加入中の保険を見直しましょう。

Q7. 賃貸に出す場合、本人が施設にいる間に契約できますか?

可能ですが、本人の意思能力が必要です。本人が委任状で家族に手続きを委ねる、または家族信託契約で受託者が賃貸契約を締結する、といった方法があります。本人の意思能力が低下している場合は、成年後見人による賃貸契約となり、家庭裁判所の許可が必要なケースもあります。

Q8. 兄弟が「親が生きているのに売るな」と反対します。

反対する側の感情も尊重しつつ、家計の現実(施設費用と実家維持費の合算負担)を数字で共有します。「売却代金は本人の生活費・医療費に充当」「本人の同意を最優先」「将来戻りたいときの代替住居も検討」といった対案で議論を進めると、双方が歩み寄りやすくなります。それでも合意できない場合は、第三者(司法書士・税理士・弁護士)の同席を検討します。

参考資料・出典

本記事は2026年5月時点の公的情報および業界の標準的な相場をもとに作成しています。家族信託・任意後見・成年後見の各制度は個別の事情で適用が異なります。具体的な手続きは司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、特定の業者・サービスの利用を強制するものではありません。

「親が元気なうち」に動くのがおすすめの選択

認知症発症後は選択肢が大きく狭まります。本人の意思確認ができるうちに、3つの無料相談を活用して情報を集めるのが結果的に最も安全です。

① 家族信託・任意後見を司法書士に相談

本人の判断能力があるうちが、これらの契約を結べる唯一のタイミング。後回しは禁物です。【A8|司法書士相続相談】無料相談

② 不動産査定で生前売却を検討

マイホーム特例(3,000万円控除)の活用、施設費用への充当、家族の家計シミュレーションに必須の情報。【A8|不動産売却一括査定】無料査定

③ 遺品整理の見積もりも早めに

本人と相談しながら段階的に進める片付けの概算把握。複数社で相場感をつかみましょう。【A8|遺品整理110番】無料一括見積もり

※当サイトは各サービスの紹介手数料を受け取る場合があります。相談・見積もり自体の費用はかかりません。